第二部 「放射能汚染かでどう生きるか」
今、必要なこと
1.放射能放出の停止
2.徹底した汚染調査
3.汚染対策
4.被曝対策
避難した先で被曝
南相馬市500m2メッシュで細かく調査予定
50才代以上の調査隊を結成(応募者多数だった)
汚染の現状
ナロジチにて菜の花プロジェクト
土壌汚染の違い
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25年後のチェルノブイリ |
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今の福島 |
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20cm |
Cs137+Cs134 |
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Cs137+Cs134 |
3cm |
40cm |
Sr92 |
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土壌汚染
農水省
Cs137+Cs134:5000Bq/kg以下なら稲作OK 1割が米に移ると考えて。(実際はそれほど移らないだろう。)
畑作は基準なし 結果主義(出荷検査結果次第)
→「予防原則」の導入が必要
出荷制限した野菜の処分方法なし
土壌の除染が必要
校庭
公園・歩道・遊具…洗剤で拭けば取れる
農地
国が年間20msv基準を設定4/19
私たちの提案 剥土埋没処理 表土5cm剥離し、トレンチに埋める。将来は国・東電が撤去
校庭によって減少効果違う
5/28校庭土処理 国が負担することに
農地の汚染対策
・表土剥離
・バイオレメデーション 時間かかるがセシウムを抜いていく
福島市内の果樹園で表土剥離試験10a 5/22
汚染しているのは雑草
作業者の外部被曝、内部被曝の軽減、果実の汚染軽減
暮らしの中の被曝対策
外部被曝…ライフスタイルで異なる被曝
生活被ばく線量測定の提案 累積線量を1週間単位で計る
対策例…生活空間の被曝線量を下げる
・通学路や歩道の除染:高圧放水による除染→最終的には下水処理場に流れる
・公園・遊具の除染:洗剤で拭く
汚染した土地での農業(表土剥離が困難な場合)
ナス科(トマト、ナス)、ウリ科(キュウリ)、カボチャなど汚染しにくい作物を作る
セシウムはカリウムと同属 カリウムたくさん撒けばより大丈夫
食べないものを栽培
汚染しやすい作物…アブラナ科(ナタネ、カラシ菜、キャベツ、ダイコン等)>ホウレンソウ>ジャガイモ>豆類
※ジャガイモはナス科だが果実でなく茎のため汚染される
吸収抑制
肥料成分による抑制
K肥料…Cs137と
Ca肥料…Sr90と
腐葉土…Cs137を吸着する有機物
注 N肥料は吸収を促進
吸着剤の散布 ゼオライト、ベントナイト、バーミキュライト等(Cs137と吸着)
注 活性炭と同時に散布すると吸収促進
散水による放射能汚染
給水、農薬散布用の水などによる放射性セシウムの経根吸収<葉面吸収
井戸水は安全
山間部の水は注意
畜産物の汚染
多くは数〜数10Bq/kg(暫定基準は50Bqなので市場に流れている)
畜産農家の対策
放射性セシウムの吸着剤プルシヤン・ブルー(PB)を餌に混ぜる(1-2%)。セシウムとくっつく。水に溶けない。
PBはセシウムと家宅結合し、体外に排出される。
チェルノブイリ事故の後、ノルウェーで開発され、ウクライナ、ベラルーシ、ロシアで使用されている
IAEA報告書1997
飲料水の除染
深い井戸は安全
ペットボトルの水
水道水を処理する
・ヨウ素…活性炭
・Cs137、134…ゼオライト、ベントナイト
・逆浸透膜浄水器(水以外のものは総て取れる)
食物による内部被曝対策
・産地を選ぶ(権利がある) 500Bq以下のものは流通している(汚染地域の農家の人はどうしたらよいのか…答えがない)
・よく洗う、煮る
・汚染しにくい野菜を選ぶ(トマト、キュウリ)
・酢漬けにすると放射性セシウムは6-7割取れる
放射線の影響をできるだけ減らす
フリーラジカル(例:活性酸素、活性水素)
・放射性セシウムを吸着する ペクチン、キチン、キトサン 便として排出 byベラルーシの研究者
・フリーラジカルの影響を軽減 抗酸化作用物質を摂取 様々な動物実験でも実証されている
ビタミンA、C、E
βカロチン、カテキン(ポリフェノール類)
チェルノブイリの教訓
ホールボディカウンタ 国は早急にやるべき
放射能汚染地域における農業復興の試み ウクライナでは2007年から実施
汚染地域ナロジチ再生に向けて
移住対象地域ナロジチ、かつて3万人が暮らしていたが現在は取り残された1万人が居住
売るための作物×
立ち入り禁止の立て札のかかった家、
かつては家があった村は村ごと地面に埋められている
新たに移住者たちの村を国が提供
ナタネ栽培による土壌浄化とバイオエネルギー生産
根からCs137、Sr90を吸収し放射の除去
ナロジチにて現地説明会 村の中にバイオディーゼル工場を作る ナロジチ再生計画
2007年4月汚染土壌に菜の花プロジェクト開始
種まき4/13 汚染レベル370Bq/m2 (飯館550Bq/m2)
6/4満開 20年間放置された荒地に花が咲く 2ha
連作障害(ナタネ→ライ麦→ソバ)のため2-3年あける 秋蒔きもする 合計4ha
7月実が実る 8月収獲
春蒔き 1.5t/ha 秋蒔き 3.0t/ha
ナタネ油の放射能 種子全体Cs Sr
油には放射能入ってこない
ナタネ植物体の放射能汚染 種ができるまでは放射能全体に分散しているが、種ができると種子が汚染
ナタネ油 メタノール、苛性ソーダと調合しBDFへ。軽油と差がない。20km試験走行。
バイオガス製造装置 硫化水素の脱硫装置(+鉄屑)
2010年9/17バイオガス発生
食べもの作れないならエネルギー基地として
汚染農地で新たな農業復興
バイオエネルギー
ドイツユーデン村 バイオガスで電気と温水エネルギー自給 80℃の温水、オペレータ1人
ドイツBGプラントが3000基以上稼動(多くは農家が保有)
家畜糞尿や農産物のバイオマスが原料
持続可能で炭酸ガス収支がゼロ
スウェーデンではバイオガスで走る列車が運転開始2008年
家庭レベルで作る小規模なものがまだ多い
チェルノブイリでわかったこと
1.Cs137吸収する作物ナタネなどを植える(水溶性セシウムを吸収)
2.次年度は別の作物を植える(CS汚染少ない)、家畜の餌など
3.3年目、Cs137の吸収しにくい作物を植える
4.再びCs137をよく吸収する作物を植える
政府に対する提案
土壌汚染対策法 定める有害物質
放射性セシウム、ヨウ素、ストロンチウムを加える
ナタネはバイオディーゼル用に日本ではコスト的に厳しい
大豆カリウム含有量高い
ナタネは3番目、4番目
アマランサスはセシウムの吸収ではすぐれているが、デンプン質でバイオアルコールが出来上がる
ルピナス有用
<質疑応答>
ひまわり95%吸収 残ったカスの量が多い、木質物が多いため後始末を考えなくてはいけない、バイオガスを作るのに有害という特性
土壌を掘り返す…拡散し危険
規模が大きければバイオガス可能
放射性物質は元素なので消滅することはない
ボランティアで現地に物資を届けている若者が、何が不足しているのか河田さんに訊ねると、「新鮮な野菜です。たまたま長野の野菜を届けるすべがないので、担ってほしい。」と話がまとまる。 |