第二部 スペシャルトークショー「日本の食を考える」奥田政行氏、福井栄治、KAORU
ほんとうは王理恵さんも来るはずだったのだが、前日HPを見ると都合により欠席とのこと。残念、というか、今回3,000円支払い、そういうもの?
KAORUさん(ベジフル講義でお世話になりました。)の質問に、奥田シェフが答えていきます。質疑応答時、ご自分が話をされていない時、驚くほどメモを取っています。大事なことを聞き逃してはたいへんとばかりに。その姿が印象的。以下奥田シェフの話の要約。
1.東京のレストラン650円のランチの店から超高級店で修行
当時、目利きのシェフが、庄内の野菜についてチェックせず。それだけ庄内のものは優れていた。お盆に帰省すると、スーパーには長野産の野菜が並んでおり流通がおかしいと思う。庄内の農家は下を向いている、上を見させたいと。
庄内は幕末、幕府側についたため、食文化が隔離され、殿様が変わらず豊かさを保てた。
2.「アルケッチャーノ」150万円ではじめる。皿は100円ショップのもの。山菜を採り、ベーコンでスパゲッティ。
植物学を勉強。原産地と同じ土で植える。生産者と物々交換。代わりにご飯を提供。魚好きな農家にブリ大根用のブリを渡す。(頭は使わない。)店の食事券3000円、1300円のワイン⇔1000円の野菜。店では3割原価のため。この人に何を渡したら喜んでもらえるか、喜ぶものを提供。
3.料理について、お客の来店時間に合わせて野菜を収穫、料理を食べて庄内を感じるように、奥田ワールドを感じるように。
4.オープン時、地元の人に地元のものをおくしく食べてもらいたい、とはじめた。おいしいものは足元にある。
5.しょうゆ、味噌を使わない和食。ごまの代わりにルッコラ、くるみのかわりに松の実、大根、オリーブ、アンチョビ、ドライトマトを多用
6.たとえばトマトの冷たいカッペリーニ。はちみつ、バルサミコ、オイルを入れて寝かす、というのが通常のレシピ。トマトに7日間流通がかかるから甘くない、酸っぱくなくなるためのレシピ。
トマトは採りに食べてもらうために赤くなる…生OK
大根は苦い…食べて欲しくない…火を入れる
7.野菜を口に含み、感じた順番、第7印象までコミュニケーションする。アスパラならシャキシャキ⇔グニュグニュ、水分⇔ドライ、甘み⇔苦味、土…。料理は同化と対比
8.子供の頃から野草を食べてきた。有名になってから、おいしいと言われるようになった。おいしいといわせるのは簡単。脂分、塩味、旨味、焦げ味。13皿でうまいと言わせるには、4つのうち1つを抜いていく。
9.口内ミックス、日本人は得意。サンタンデロ、大皿に7種、4種盛りたいという意見を通した。東京に店を出し、鬱になる。2200万円借金。鬱から立ち直る法で本が書けるほど。(笑)
10.サンタンデロはSaint Angelと山形産なんでしょ、をかけて。若手生産者の野菜を使うためにも必要だった。アルケッチャーノはお年寄り、子供、長靴はく人から接待まで。
11.餅屋は餅屋。野菜生産は農家にまかせる。山形の水、同じ水系同士の野菜リゾットに必須。
冬の間、トマトは高知産のもの。
12.米粉ブーム、世の中が必要としなくなったら消える。
13.食育活動について、牛乳、ピーマン(焼肉の網につけて食べた)、納豆(友達の家にはそれしかなかった。)、初めて食べた日を覚えている。
子供に、何も食べず、飲まず8時半に学校に集合させ、トマト畑に。農家からトマトの苦労話を聞かせる。子どもたちはトマトの味を忘れない。
14.6月、万年雪が融け、岩ガキ、巨大ムール貝、山菜、月山茸の季節。原価率落とす時期。(笑)
15.レコード大賞の法則。一年間何回聞いても飽きない。楽器一つ一つ。三つで歌。カリスマボーカルがマグロ、カニ、鮑。
16.庄内は5000円コースだったが、従業員になりたいという希望者が多く、雇用者が増えたため、料金を上げざるを得なくなった。7500円に。花火大会時のツアーを企画中。 |