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第8回東京平和映画祭

朝10時から夜7時40分まで全て観ました、聴きました。根性!!

311後、プログラムを変更したとのこと。800人の会場、ほぼ満席。関心の高さが伺えます。

映画祭とはいえ、反原発の講演も多く、充実度高い。

 

源八おじさんとタマ 制作中村徹 2010-2011年 12分
トップは中村徹さん。制作者もステージでごあいさつ。
001 原発なくても電力は大丈夫

002 二酸化炭素と温排水 原子力はクリーンエネルギーと言われているが、Co2出さないのは発電時のみで、施設を作ったり、ウラン・プルトニウムの採掘、再処理燃料加工などCo2を出す。また2倍の熱量を海に放出し加熱している

003 放射性廃棄物 処分場なし アメリカでは100万年監視が必要と言われている 無責任にゴミを出すのはやめましょう

004 日本は地震大国であり、浜岡原発は活断層の上に建っている

005 中部電力は津波を甘く見ている

006 東日本大震災、福島原発の被災は想定外ではなかった

「子どもたちを放射能から守る福島ネットワーク」担当者の方の悲痛な叫び

150万人が被曝しているが3万人しか避難しておらず。自主避難を呼びかけている。原発労働者と同じ被曝量で生活している人が住民の76%

6/30に官邸の原子力災害本部に陳情に行く予定。7月半ば回答をもらう。

一刻の猶予なく避難してほしいと願う。

1000本の折りバラをカンパしてくれた人に配っている。閉会の時点で20万円集まったとのこと。

隠された被曝労働〜日本の原発労働者〜 制作 イギリス・チャンネル4 1995年 24分
Nuclear Ginzaと言われる敦賀は15基の原発が建つ。1日あたり2700人の労働者は250ミリシーベルト被曝し5〜10年で亡くなる。 下請け会社の、教育・技術のない労働者が品物か道具のように扱われる。

柴野徹夫氏講演

知らないのは怖いこと、知らされないのは?(聞き逃す)、知ろうとしないのはあなたの罪、行動しないのは、あなたって誰

憲法理念/原発の歴史

アメリカが原子爆弾を開発し、核独占したのも4年のみ、ソ連、イギリスが追随し、アイゼンハワーが国連で"Atoms for Peace"、表上平和利用を謳い、核武装を憲法で禁止する日本が原発に手を染めることに。推進した当時の政府要人は中曽根、佐藤栄作、岸信介、それに正力松太郎(読売新聞社主、国務大臣)

チェルノブイリの真実 総監修・撮影 広河隆一 1996年 60分

食物の中のストロンチウム摂取で骨髄を病み白血病、ベラルーシは1200人

甲状腺ガン、乳ガン、骨ガンの順で多い

発病率は44〜45倍

原発から60キロのナロヂチ村では異常な豚牛が見つかっている。自家消費用の農作物を育てている。

ミルク工場の近くでは甲状腺ガン多発しているが、セシウムのみの調査が行われている

ウラーシー村では爆発後空白の9日間があり、1/4がガンに。事故後、中絶した人も多く、出生率下がる。

植物では異常な巨大化現象が起きた。

原発導入のシナリオ 1944年 制作NHK 1994年

この映画を見て、どんなプロセスを経て、日本に原発が導入されていったのかよくわかりました。

核の軍事利用と平和利用がどのような関係にあったのか。日本国民は平和利用とばかり思い込んでいたのだが、実際は柴田秀利(日テレ重役)がアメリカ要人と密談。「毒をもって毒を制する」

わしも死の海におった 制作 南海放送 2010年 57分

ビキニ諸島の被曝では第五福竜丸が有名だが、多数被曝したまぐろ漁船のうち高知県船籍のそれは1/3にあたる。事件から30年後、高知県の高校生と教師が聞き取り調査をする。

ナガサキ、ヒロシマ、ビキニ、そしてフクシマ 藤田祐幸氏講演
ナガサキ、ヒロシマ、ビキニはアメリカ軍によるものだが、フクシマは日本人の手によるもの。

1979年3月のスリーマイル島は破局寸前に止まった

日本は原発ラッシュ

金属物理学を研究するも、学術論文を発表しながらの道を断ち、市民運動で原発阻止運動へ

原発事故はヒロシマ、ナガサキの1000発分、放射線は300-500キロ圏内へ

1997年「原発震災」が出版される

2010年8月27日「原子炉時限爆弾」広瀬隆

日本総被曝の時代


設備容量と稼働率2005年

水力 20.8%

火力 49.5%

原子力 70.2%

自家発電の民間電力 埋蔵されている 6036万kw

東京電力横浜火力発電所、小型ガスタービン(ex 六本木ヒルズ内)を増やす


電力会社、政府は原発を扱う責任能力をもっていない

人は電気がなくとも生きられる

人が生きるために必要なものは、水、空気、大地

昨日のように今日があり、今日のように明日がある

吾唯足るを知る

 

幸せの経済学 監督 ヘレナ・ノーバーグ=ホッジ 2010年 68分

経済危機と言われているが、もう一つの危機は人間の心の危機

7世代後のジェネレーションのために考える

ヒマラヤ、広大な家をもち、休暇を取る 失業の心配はない

1970年代近代化の波、消費社会に曝され、自分たちを貧しいと思うようになる。「貧しいラダックを援助してほしい。」と。精神的に豊かだったのに、人々は不和に。グローバリゼーションこそ危機を招いている原因。経済自由化されただけ、目的は利益を求めるもの。

8つの不都合な真実

  1. 人を不幸にする。1956年、非常に幸福と答える人のポイントが最高だった年。頼りになる人の存在があった。グローバリゼーションは孤独を作る。
  2. ねたみと差別化 アメリカを羨望する。自然資源を浪費、都市化、人口集中、巨大ダム、インフラ、発電所、ゴミ
  3. 気候変動、長距離輸送、不透明な補助金により遠方のもののほうが安い、自由貿易協定、地球上をものが行き来しCo2を排出
  4. 生活破綻、敗者を生み出す。失業者、企業合併、迷走年金制度、先進国以外でも失業者、農民が職を失う、外国資本の会社で低賃金、使い捨ての雇用
  5. 対立生む 希少な仕事を取り合う、原理主義紛争、貧富の差、テロリズム発生
  6. 大企業へのばらまき 政府の援助なしに原発開発できない グローバル経済は政府の援助あってこそ、中小企業に罰を与える、貧困競争社会⇔人間地域社会
  7. 誤った会計の上に成り立つ GDP成長に必死 環境過去20年間悪化 表面的な解決策、問題を根本から直す。新しい経済を考える。人々に質の高い仕事。GPI 人々の暮らし社会、環境、商品原価計算
    ローカル経済、ローカライゼーション、輸出依存休める。補助金、税金がネック

グローバリゼーションと国際協力は異なる

ローカルフード経済

生き方価値観を変える

ローカルエナジー

アイデンティティと地域の知恵

誰もが知られ認め合う誰か

世界のローカリゼーション

フリージャーナリスト 上杉隆氏講演

プルトくん

震災報道と一億総洗脳化社会
記者クラブ問題…情報隠蔽に慣れきった記者→犯罪行為
計画停電とは、マスコミを最大の協力者とする原発の必要性を訴えるための一大プロパガンダ、という言葉で始まる。記者、3月、東京電力に質問せず。
質問すると、読売、日経記者が「そんなシツモンはいいよ。」とヤジ。
4/1〜警視庁ネット封鎖命令7件に
反、脱原発が異端
3/13未明計画停電、当時輪番停電の予告入り、翌日フクシマ3号炉爆発
数日後、首都圏大停電で公共の電車が止まる。950万W余っていた。見せしめため。
電力が余っていたのに電車を止めたことを質問すると、「推計ですから。」
電車よりも民放に協力を要請したら、「明日から広告出します。」脅し。
火力があるじゃないですか、の質問に、「壊れている。」復旧のスケジュールが質問中どんどん延期される。

プルトくんの話。プルトニウムって本当に危険なの?そんな不安を振り払うために作られたアニメ。このアニメは原子力発電所を推進させるためのキャンペーン。「原子力発電所なんか建設して本当に大丈夫?」「ウランだけじゃなくてプルトニウムも使う可能性(当時は使われていなかった)があるんでしょ」という不安を取り除くために作られた。動力炉・核燃料開発事業団製作。このプルトくんのアニメーションは、プルトニウムの安全性を強調した内容になっている。しかし国際的な批判を浴び全て回収。回収を迫ったのはアメリカのエネルギー省長官。問題視しているのはプルトニウムが体内に吸収されないという表現。またプルトくんがプルトニウム溶液を飲むシーンも問題視された。青酸カリと比較し「飲み込んでもすぐに死ぬことはありません。胃に入ってもほとんどが排出されます」とアニメ内で説明していた。

環境エネルギー政策研究所 所長 飯田哲也氏講演

核による大厄災、「石油を巡る戦争から太陽による平和へ」
今は幕藩体制
ドイツ、311後いち早く動く。3/15 古い原発7基メルケル停止
5/6 菅首相、浜岡停止へ
官邸HP 3月11日 10時20分 メルトダウン、11時50分 圧力容器損傷予測
全く機能しなかった国家のプロセス

海江田経産相会見で棒読み

パネルディスカッション 藤田祐幸、上杉隆、飯田哲也、
ファシリテータ:きくちゆみ(東京平和映画祭プロデューサー)

藤田氏:日本の四分の一が汚染された。

上杉氏:既存メディアの存在。3月11日以降を検証してほしい。良心は傷まないのか。

飯田氏:絶望的な政府、自治体。現実を救おうとしない、統治機能から組み立て直さないと…。12日メルトダウンし、中村審議官「デマヤロウ」と言われ退任。戦前の大本営発表のよう。

藤田氏:30年前から反原発派。(数年前に浜岡原発震災を恐れ神奈川から九州に転居。)孤立。民主主義=多数決ではない。民主主義、最初はひとりからだったと戦後、教わった。1960年代東海原発が保険に入ろうとしたら、イギリスロイズは日本地震国のため断る。

上杉氏:想定内、とすると免責にならない。1200億円ですむ。想定外キャンペーン。マスメディアがきちんと伝えない。外部放出ひどいことになっているのに大丈夫発言。止められたはずの1週間内の初動ミス。

飯田氏:政府…陣営どこか、立場・年齢・上下関係

5ナイ…事実に基づかない、論理的でない、科学的でない、経済合理的でない、規範的でない

経団連は原発がないと電気が止まると脅す

藤田氏:龍が牙をむいたらどうなるか。たかが電気のために命をかけている。いくらでも発電方法があるのになぜ原発。日本はNuclearマフィアに牛耳られている。ジャーナリストがいっしょになって広報しているのはなぜ。

上杉氏:プルトくん。10分52秒のアニメ。

きくちゆみ氏:東京の車のフィルターからプルトニウムが検出されました。

藤田氏:原子力が国策。1957、58年岸信介、東海村に行く。平和利用することで核武装することになる。政治家は核武装が目的だった。国民は別物として認識。佐藤栄作、非核三原則、表向き平和利用といいつつ、動燃、同時に宇宙事業団発足。ミサイルがないと核を運べないため。隠して核武装するのはイランと北朝鮮だけではない。

上杉氏:世界が伝えていることが日本で伝わらない。放射能被害の人体的映像を日本は掲載が許されておらず。3/18IAEA視察打診するが日本拒否(これまで拒否したのはリビア、イラン、北朝鮮のみ)。WHO、赤ちゃんと妊婦の避難を勧告するが拒否。4/20、グリンピース海洋調査を要請するが日本拒否(これまで拒否したのはインドネシアのみ)

飯田氏:東海村は近代的でなく、東映太秦村の張りぼて状態。ドイツ、イタリア、日本、今こそ新三国同盟を結成すべき。必要悪の原発…もはや必要性なく、ただの悪の原発。エネルギーの独占をぶち壊していく。送配電を市民のものへ。

藤田氏:戦前は電力会社いろいろあった。→国有化→一企業独占へ。送電線は道路と同様、資産に。

上杉氏:三つの提言。放射能とうまく何十年か付き合って生きる。

  1. 食物に値札と同じくベクレル札をつけてほしい。
  2. 高い放射量のものはディスカウントし、安全なものは子ども、妊産婦へ。
  3. 天気予報と同様に放射線飛散状況を知らせる。

賢く放射能と付き合う。考え方を転換する。

飯田氏:歴史的に転換期にきている。これからのこと、責任ある。傍観者、よそごとではだめ。やることはやったのか、子孫に後悔のない仕事を。ようやく社会を取り戻せるチャンス。

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