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レイバー映画祭2021?マスコミが伝えない「もう一つの世界と日本」

 

今年は配信があるので、ラスト2daysで申込み、観る。

10.15?12.05 『グッバイ・マイヒーロー』(韓国ドキュメンタリー作品・110分)

『グッバイ・マイヒーロー』は、双竜(サンヨン)自動車解雇労働者の日常を描いた作品で、韓国では2017年の最も注目すべきドキュメンタリー映画として話題になった。映画は、たたかう「解雇労働者」の息子ヒョヌ少年が主人公だ。ヒョヌ少年は父の仕事について悩んでいた。「解雇労働者って何だろう? 無職? 社会活動家? 労働運動家?」。正義の仕事をした父がなぜ刑務所に行かなければならないのか? 父のことをまったく理解できない9歳の少年が、父を通じて徐々に世界に出会っていく感動的なストーリーである。監督のハンヨンヒさんは「あなたは、私たちのすべてのヒーローです。苦しい生活に耐えているすべての人に映画を送りたい」と述べている。*日本初公開

 

12.05?12.15 『ユニクロ/ジャバ・ガーミンド争議』(クリーンクローズキャンペーン・12分)

 2015年、ユニクロの製品を受託生産してきたインドネシアのジャバ・ガーミンド社の工場が、ユニクロ撤退を契機に経営が傾き、倒産した。そして4000人の労働者が、数ヵ月の給料、退職金を未払いのまま解雇された。解雇撤回を求めるたたかいはいまも続いている。オランダに本部がある「クリーンクローズキャンペーン」は支援に乗り出し、今回ショートムービーをつくり全世界に配信する。ユニクロの「食い逃げ」を許してはならない。*日本初公開

 

昼休憩 12.15?13.00(45分) 13.00?14.40 『闇に消されてなるものか?写真家・樋口健二の世界』(永田浩三・80分)+トーク20分=永田浩三、樋口健二 14.40?14.50 休憩10分

映画はのっけから圧倒される。主人公の樋口さんは83歳だが元気そのもの。「私は"売れない写真家"。国家と大企業を相手にしたからあたりまえだ」と本と資料に埋もれた自宅で、写真を手に語りはじめる。映画は、小さい時から現在に至るかれの生涯をたどっていく。若いときロバートキャパの写真に出会い衝撃を受け、工員をやめて写真の道に入った樋口さん。一つのカップラーメンを夫婦で分けて食べるほどの極貧生活に耐えて、徐々にチャンスを掴んでいった。四日市公害の凄まじい実態を知り現場に飛び込んだ話。体がボロボロになった被害者から「マスコミはいやだ。あなたに撮ってほしい」と樋口さんは信頼を得ていく。そして『四日市』写真集を皮切りに、広島県の毒ガス島の被害実態、原発労働者の被ばく問題と続いていく。1977年、敦賀原発に入って撮った原発労働者の2カットの写真は、世界中に広がり内外から高い評価を受けるようになった。"売れない写真家"は、だれもやらないテーマに取り組んだことで、80歳代になっても写真業界で生き残った。樋口さんは学生に「ジャーナリズム」を教えているが、必ずこう言うという。「ジャーナリストの前に人間であれ。差別を許さない人間になれ」と。映画は、そうした樋口健二さんの生きざまを1時間20分に凝縮している。レイバー映画祭では、上映後、制作した永田浩三さんと主人公の樋口健二さんが登壇する。*新作

 

14.50?15.50 『原発の町を追われて・十年』(堀切さとみ・53分)+トーク

福島第一原発事故によって7千人の町民が全国に散り散りになった双葉町。10年たった今も帰還者はゼロだ。家屋は壊され中間貯蔵施設がそびえ立ち、緑豊かな風景は一変した。30年は住めないと言われていた町が、来年には帰れるようになるという。五輪を足掛かりにした復興は進むが、町民の思いは複雑だ。避難して10年。原発の間近で暮らしてきた家族の軌跡をたどる。*初公開

 

15.50?16.55  『映画批評家の冒険』(木下昌明・52分)+トーク

2020年12月6日未明、映画批評家・木下昌明さんが亡くなった。彼は直腸がんと前立腺がんを抱えながらも映画批評を続け、生前7冊の著書を発表。一方、2003年より3分間ビデオを発表してきた。本作は、彼が遺した3分間ビデオ全作品群を『映画批評家の冒険』と題して一本化した唯一の監督作。走馬灯のような映像群が胸に迫る。