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国際有機農業映画祭2020

2020年12月実上映できず、2021年2月19日〜23日オンライン上映

「水の支配者たち」2018年/フランス/88分 日本語字幕 原題:Lords of Water 監督:ジェローム・フリテル

水は、今や「ブルーゴールド」。いったい誰のものなのか。 公共の財産か、金融商品か。需要は爆発的に増加し、水不足は世界的な問題。一方、商品化が進み資本による水の独占が始まった。これは水をめぐる闘い。経済だけの問題ではなく、環境負荷と生態系への課題である。この映画は「命」の問題を突き付けている。

アニメです。ことばはなくてもわかりやすい。気候変動、洪水、干ばつ、思い当たることばかりです。

「世界を変える」2011年/モザンビーク/15分 原題:The Change 監督:ファビアン・リベソ 制作:INHABITANT

モザンビークの小さな村。経済成長や都市化による環境問題が悪化し、洪水や干ばつなど地球温暖化が深刻な影響を与える。自分たちの生活を守るため、村人が共に動き出す。一切の言葉を排除した簡潔なアニメーション作品。

「遺伝子ドライブ」2020年/ドイツ/15分 日本語字幕 原題:Gene Drive 制作:Save Our Seeds

遺伝子操作した生物を使い、「有害生物」を一挙に駆除しようとする。この《遺伝子ドライブ》がいかなる技術で、生態系にどのような影響を与える可能性があるかを、各国の専門家が解説する。

数年前までは遺伝子組み換え大丈夫なのか、でしたが、もっと容易なゲノム編集が抜きん出ました。別の遺伝子を加えるよりも、遺伝子の中でカットし配列を変えるゲノム編集、ですから安全ですという触込みで表示もなしにするという。ますます人工的に手を加えられた危険なものが食べものとなってきました。15分と短い映像でまとめられています。

「給食からの革命」2019年/フランス/70分 日本語字幕 原題:Recettes Pour un monde meilleur 監督:ブノワ・ブランジェ

世界人口が急激に増加し、地球温暖化などによる環境問題も悪化する今、食を見直す時期に来ている。学校給食への有機化がもたらす社会の変わりようを描く。食品ロス削減に向けた知恵、生ゴミの堆肥化事業など、欧州各国の具体例を紹介し、学校給食が変わることで社会が変わる可能性を示す

直訳「より良き世界のためのレシピ」をわかりやすくこのタイトルにしました。日本の有機農産物圃場面積割合は全体の0.5%、僅かです。子どもたちにどんなものを食べさせたいか、未来ある子どもですから安全なものを食べさせたい。一方、家庭の食事以外の給食からはじめるのはどういうことかというと、子どもたちが有機野菜のよさを知る→家でそのよさを家族に伝える→家族も使ってみようか、という伝播力です。そして消費者が買いたい→生産者も作るようになる、流れ。有機農業が広まるムーブメントが起きるためにも有機の給食を。

映画の中で訴える。あなたも食べ方を変えてみませんか。

1.地元の有機農産物を買う(育ててもいる)

2.動物性食品を減らす(野菜、豆のほうが好き、魚もだけれど)

3.食材を最大限に生かす(たぶん)

4.生ゴミを肥料にする(コンポストやってる)

5.有機食材の給食を首長に求める

ふむふむ、これは5以外はやってる。

「大豆ビジネスの裏」2018年/イタリア/65分 日本語字幕 原題:SOYALISM 監督:ステファノ・リベルティ、エンリコ・バレンティ

米国で進むアグリビジネスによる、資源を略奪する工業養豚が、昔ながらの小規模養豚を駆逐し農村荒廃・大規模な環境汚染の原因となっている。世界的には、中国の豚肉需要の高まりを背景として、ブラジルで進む大規模なアマゾンの森林破壊と大豆モノカルチャーでの農薬の過剰使用や、日本も関与するモザンビーク・ナカラ回廊での大規模開発を描く。

広報の写真は密な豚です。急増する肉需要に畜産用飼料用大豆栽培も世界各地で急増。その大豆は遺伝子組み換えで、農薬を撒いても雑草だけが枯れ、大豆は元気。工業化された養豚場で外国産の豚も国産の豚も安価な遺伝子組み換え大豆を食べています。(この頃は大豆ミートがじわじわ人気になってきましたが、油を絞りとった後のものが使われます。加工食品はトレースできませんね。映画ではこの件に触れられていませんが、個人的に気になっています。)

「ミツバチに何が起こったのか?」2019年/メキシコ/67分 日本語字幕 原題:Que les paso a las abejas? 監督:アドリアナ・オテロ、ロビン・カヌル

ユカタン半島の大地で伝統的に養蜂を営んできたマヤ民族。近年、ミツの生産量が減少し、ミツバチの大量死まで起きている。一体何が起きているのか。原因を追求するマヤの人々は「遺伝子組み換え」について知る。そして、危険に晒されているのはミツバチだけでなく、命そのものだと気づく。

国際有機農業映画祭、ひさびさのミツバチ登場です。ミツバチが消えれば野菜の7割は採れなくなると言われています。メキシコの先住民族がこれまでの恵みを奪っていく大企業にもの申します。

「幸福家族―Happy Family」2020年/日本/20分 日本語字幕(日本語・中国語) 監督:白木邦治

台湾はアジア屈指のエコロジー先進国。資源の乏しい島国では、次世代を担う子供は最も大切な財産。学校給食への遺伝子組み換え食品(GMO食品)の使用は、法律で硬く禁じられている。最新のテクノロジーが、必ずしも人や環境に良い結果をもたらすとは限らない。食の安全に敏感な台湾の人にとってあたりまえの選択から、私たちは何を学び、どう変わることができるのか?

コロナ対策もそうだけれど、台湾の人々は政治に守られています。添加物、農薬の使用基準も厳しく、学校給食の安全性も高いです。日本はひたすら逆行中。ウラヤマシイ。

映画祭のために観た映画