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コレクティブハウス「かんかん森」見学

以前から興味のあった、コレクティブハウスを見学に。「コレクティブハウスとは、一見普通のマンションですが、少しの時間と空間をシェアすることによって住人同士のふれあいが自然に生まれる住まい。」居住者がいつでも使える共有スペースは、リビングルーム、ダイニングルーム、広いキッチン、木工テラス、ゲストルーム、菜園テラス、キッズスペース、ランドリールーム。

 

今回は7周年記念フォーラムで、たくさんの人が集まっていました。すべて通しでのは参加料2500円ほど。

 

1.ファザリンング・ジャパンの絵本の読み聞かせと歌

2.上野千鶴子さん講演「ひとりで暮らす・みんなで暮らす」

3.かんかん森の見学ツアー・オープンルーム

4.コレクティブハウス住人手作りによる食べもの、飲み物のパーティ

 

 

第一部 ファザリンング・ジャパンの絵本の読み聞かせと歌です。

絵本を歌にしたもの、ビートルズナンバー。歌のお兄さん(実は46才)と、絵本の読み聞かせ+楽器演奏のお兄さん(4人の男の子の父親で保育士)が活躍。

絵本を読むと、子どもたちのリアクションが大きく、かわいらしい。子どもたちは楽器で歌に参加。

 

 

第二部 上野千鶴子さん講演「ひとりで暮らす・みんなで暮らす」

この方の講演を聞くのも楽しみでした。実際、おもしろい。言いたいことをずばっと言いつつ、大阪人のような笑いのツボも押さえている。(大阪人?と思うもプロフィールを見ると富山出身。)自らの話をジャクチョウホウワです、とおっしゃっていたが、寂聴法話のことでした…。

以前「上野千鶴子なんて怖くない」という本も書かれ、脅しの上野が、「おひとりさまの老後」、「男おひとりさま道」という著書で、癒しの上野になったと。以下、講演内容。

今、40代以下では男女とも生涯非婚者が増加。男性有配偶率、60代が最高、70代以上では死別が原因で低下し、50代以下では離別が原因で低下、40代では非婚が原因で低下。生涯非婚率は40代の4人にひとり、30代の3人にひとり。2004年度港区高齢者調査では、生存子がいるのは49.3%、いないは44.7%。無回答が6.0%。子どもの生存非生存かわからない?

社会的孤立を正月三が日、ひとりで過ごしたかどうかで測る。前期高齢者 男性61.7%、女性26.5%、後期高齢者 男性46.8%、女性32.0%。「おひとりさまの老後」の問題点、女性単身高齢者=貧困、男性単身高齢者=孤立。「家族・親族」に代わる代替ネットワークが必要。選択縁の社会へ。選択縁とは?血縁/地縁/社縁→知縁/情縁・情報縁/意縁、志縁/結縁(けちえん)/無縁、媒介縁。

日本全国各地のコレクティブハウスの状況、聞き取り調査。「ふつうの暮らし」の延長のうえに老いとみとりがきてほしい。

講演終了後、名刺を差し出す人々が後を絶たず、どうにか持参の本「おひとりさまの老後」にサインをしてもらう。私だけだったかも。とてもにこやかですてき。

 

 

第三部 かんかん森の見学ツアー・オープンルーム

コレクティブハウスかんかん森はマンションの2、3階に位置します。

地上12階地下1階建てのマンションの構成

1Fはテナント(クリニック、保育園)、食堂、多目的質、駐車場、駐輪場

4-6Fは介護居室(シニアハウス) 43室

7-12Fは一般居室 41室

 

菜園スペースがたっぷりあり、菜園担当者たちが野菜を育てています。より高価なハーブを栽培し、家計(コモンミール)を助けているとのこと。以前の住人が置いていった植物などもこちらですくすく育っている。

 

パソコン+プリンタールームでは、さすがに頻度の高い定例会のための印刷物をこちらで印刷。いろいろな取り決めがあるのでしょう。またラウンドリールームには数台の洗濯機と乾燥機、数台のアイロン台、ロックミシン。(洗濯機は個人スペースで持っている人多数。)

ゲストルームです。ベッドとテーブルがあります。居住者の知り合いが1泊1200円?ほどで宿泊可能。もちろん、居住者の部屋にも宿泊は可能。この日は、読み聞かせのお兄さんたちと居住者の方が歌の練習中。

木工室。こちらでは大々的に日曜大工も可能です。電動のこぎりあり。DIYが好きな人にはたまりません。

そして大きなキッチン。これからのパーティのために住人が腕をふるっています。

大勢で食べることが多いためか、大きな飯台、鍋、皿、冷蔵庫、何でも揃っています。調味料などもきれいに整頓されて

います。

そしてダイニングスペース。テラスで食事をすることもできる。気持ち良さそう。

そして大事な掲示板。ほぼ住民同士のやりとりはメーリングリストで行われていますが、最年長は80才代ということでPC不使用の方もいらっしゃるので、こうした掲示板は活躍中。具体的でわかりやすいですね。週2回のコモンミール(みんなでとる食事)のための当番も、自分の名前を書いたマグネットをカレンダーに貼り付けて調整。コモンミールは2週間に1回のペースかな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

秤があるのはみんなの台所にある玉ねぎなどの野菜を個人で使いたい場合、グラムで買い上げることができ、食材の管理者に支払うことになっている。

居住者の部屋もたくさん見学させていただきました。複数部屋があるところではルームシェアをされている方も多く、またネコを飼っている方も。ベランダが広く、きれいな緑、そして風の流れを感じます。

 

 

 

 

 

リビングにはちゃぶ台、個室はこんな感じで、できるだけ荷物は少なく。ベランダにはグリーンたっぷり。 こちらにも暑くて伸びきったネコ。光ってしまって姿がわからず。

やはり女性住人が多い。コモンミールがあるので、当番となれば料理もそれなりにこなせなければなりません。できなくても、こちらで教われば、すぐ覚えられるに違いありません。あるいは、男性にとっては、こちらでの人間関係が煩わしく感じられるのでしょうか。

 

 

 

 

 

第四部 コレクティブハウス住人手作りによる食べもの、飲み物のパーティ。すごい、ごちそうです。

イカ、エビのマリネ、茄子の揚げ浸し、タンドリーチキン、アスパラ、野菜、ポテトサラダ、キッシュ、パン、茗荷たっぷりの五目寿司、焼き豚、果物ゼリー、パウンドケーキ、ビール、ワインなど。

荒川区行政担当の人、公明党の人の紹介があり、乾杯音頭を取る。

とりあえず食べて、飲んだので撤収です。外に出てみて、マンションの姿を見る。こんなに大きかったんだ。

コレクティブハウス居室にはすべて広めのベランダがあり、こうした立方体の形をしているということは、窓を取れない中央部分、北側には共有スペースが配置されていたのだろうか。車入れのアプローチは入り口から入って出口から出るという動線のよさ。二機あるエレベータはストレッチャーの入る細長い大きさでした。

現在はほとんど20代を中心とした単身者が核をなしているとのこと。最近、国際結婚夫婦(夫が外国人で、妻が日本人)が入居し、12月に出産予定。残念ながら子どものいる世帯はなかったかな。理想的パターンはすべての世代がほどほど平均的に住んでいる社会の縮図的自然なパターンなのだろうが、いかんせん、家族はこちらの生活を一時的に選択したとしても、あくまでもプロセスであり、その先に持ち家、持ちマンション、もしくは実家に入るというゴールがあるのだろうか。しかしながら、全国的にこのようなコレクティブハウスが増えていくのは、選択が増えるということで、興味あることでです。

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