HOME    diary FILM  BEADS   野菜ビジュー   エコ学   漢方   料理本
2週間ほど前に訪ねた石川県ですが、もう一度訪ねたい!ということで急遽、飛行機で行ってきました。知れば知るほど深い加賀百万石の文化です。
愛用の食器は有田焼ですが、前回の旅ですっかり赤絵に魅せられてしまいました。そこで厚かましく工房を訪ねることになりました。
おりしもこの日から北陸地方は悪天候。雨の降りしきる中、レンタカーカーナビで行きます。お弟子さん?スタッフの女性も一生懸命描いてます。作品を次々に運んでこられ、もちろん買うとも思われておらず(ほっ)、ミニ展示会の鑑賞タイム。大きなものは150万円!これまでの九谷焼、食器には不向きという概念をひっくり返すもの。香炉、茶器、お香入れなどもあります。九谷焼の歴史を含めての話、有名な徳田先生のこと、古九谷・伊万里論争(※)の話など伺います。先生はたいへん気さくな方で、金沢・加賀のお勧め観光スポットも教えてくださいます。今日のスケジュールも立ててくださって、1時間ちょっとの後、お見送りをされ、移動です。
※古九谷の名品が発掘品でなく、代々伝わってきた品であることから起こった生産地を巡る論争。古九谷は、江戸前期に現在の山中町の九谷古窯で製陶されたと考えられている色絵磁器だが、近年、伝世古九谷に酷似した陶磁片が佐賀県有田の古窯跡から発掘され、古九谷は有田で焼成されたとする「古九谷・伊万里説」が出されている。平成13年10月の新聞報道では、東京理科大学理学部の中井泉教授らによる分析で、当古九谷小皿(サンプル提供は北出不二雄氏)は九谷古窯出土磁器片と成分が近かったことが明らかにされている。
50cmほどの皿 九谷赤絵細描です。 赤絵には金箔を溶いて
金を載せることが多い。
先ほど訪ねた作家先生のお勧め”加賀ばん亭”へ。ランチなら割烹タイプのお店でもお安く食事ができる楽しみです。観光バスが1台泊まっているものの広い店内のようで、カウンターで静かにいただけます。小松空港で手に入れた資料などに目を通す。なぜかそこに置いてあったのは福井のパンフレットばかり。今日から雨、さらに寒波到来。
お弁当タイプのものも好きで、三乃重かミニ膳のどちらにしようか迷っている旨を伝えると、器を楽しむのなら、ミニ膳がよいと勧められます。食事をおいしくさせるのは、まず会話と思っているものの、1人では会話も楽しめず。でもこんなにきれいな器でおいしくいただけます。2800円くらい。
きれいな半月盆。金がきれい。
いろいろなもの和え お造り やっぱり惹かれる赤絵
ぞくっとする器です。 カニの酢のもの。甘い! 器をズームアップ。
鮭に脂がよくのってます。 天ぷら ぶどうのゼリーと土地の梨
pageup
九谷焼美術館です。大きな庭園の中に建つとてもおしゃれな美術館です。金沢市内であればもう少し人が入りそうですが、加賀市のため訪れる人も少なそう。とにかく立派な箱物です。駐車場から雨の中、広大な庭園の中を勘を頼りに進みます。雨なので、こんな橋を渡るのも滑りそうで注意しながらです。バリアフリーにほど遠い設計!
たくさんの九谷焼が展示されています。また「日本百名山」で知られる深田久弥は大聖寺町出身ということで、そのパネルなども展示されています。京焼の名工永樂和全が秋季企画展で催されていました。永樂和全は、加賀大聖寺藩主前田利鬯に招聘され加賀にやってきたとのことですが、作風はあらゆるジャンルに精通し作られていて見事でした。
中庭 中庭の水の道 大きな外庭の水の道
庭園に川が流れているため
橋げたの廊下の上を移動。
あれっ、何かいる。
カルガモ君たちでした。
山代温泉、九谷焼窯跡展示館を訪ねます。…これまでの豪華さと違い、薄汚い建物。おまけに本日休館日のため寂しい。
2週間前にも行った山中温泉こおろぎ橋まで。まさに最高の紅葉具合になっていました。
この雨風の中、誰も観光客がいない…。こんなに美しいのに。おまけに雨にあたって木々、葉っぱがいきいきしています。そばの駐車場に戻ると、もうコートがびしょ濡れでした。
予定では、金沢伝統工芸館へ。4時半閉館のため急ぎます。が、カーナビの到着時間は4時半前後。あきらめホテルへ向かいます。今回投宿のホテルは金沢市街より離れた金沢国際ホテル。想像していたよりもかなり立派でびっくり。ツインをシングルユース。ゆったり〜。窓からプールやイタリアンレストランが見えます。こちらは2階からつながっているようです。
700円で送迎タクシー代込み温泉に行けるというので申し込んでみます。夜7時半出発。行きは他の人たちとタクシー相乗りです。温泉はいわゆる町のスーパー銭湯のようなもの。でもしっかり温泉で肌すべすべ。帰りは一人乗りでホテルまで帰ります。約片道15分ほど。採算度外視?
このホテル、いいサービスを客に与えるためのアウトソーシング見事。
イタリアンレストランとプール ケーキ屋さん
しあわせの湯
(通常入湯料大人550円)。
タクシー車内から撮影。
夕食 ルームサービスの出前、
地物の寿司2,000円。 インスタントでもいいから汁物ほしい。
とにかく今日から寒波…。昨夜から霰が降っていましたが、なんと遠くが白く霞み、まぎれもなく雪。不安、不安。今日無事に帰れるのでしょうか。今日の予定…、運転を考えると早めに小松空港に行くべき?少なくとも早めに金沢市街にでるべき?窓からうらめしそうに駐車場を見ます。明け方から雷も鳴っています。
朝食。1280円。煮物が柔らかくおいしい。霰、雪混じりの風が大きな窓に吹きつけます。木々が大揺れしています。置いてあった「葉っぱのフレディ」完読。 夜は車がたくさん停まっていましたが、朝見るとがらがら。夕飯に利用する人が多いということかな。中国人(韓国人?)の団体ツアー客も多い。こちらのホテルも円高で、海外からのお客さんが減り、影響を受けているはず。 ちょっと雪がやみかけた時を見計らい脱出です。チェックアウトは特典で12時まで可能ですが、朝9時過ぎに出ます。
pageup
兼六園そばの「伝統工芸館」へ行くつもりがカーナビ入力ミスで加賀市のほうへ行ってしまう。だいぶ走ったところで、さすがに違うでしょ、とナビ再度入力。1時間ほどロス。道は斜めに噴水のような水(温水?)が吹きかけられ、幹線道路、わき道全く走行に不便はない。泊まったホテルを横目に通り過ぎ、駐車場わかりにくいものの目的地到着。金沢は兼六園、21世紀美術館以外、どんなに街中であろうと待たずに停められる無料駐車場がついているのがうれしい。
「伝統工芸館」欧米人の立ち寄りが多い。その他日本人観光客1人のみ。
撮影OKということです。 (着物はフラッシュ×)写真撮影が許されると、気に入ったものを写真に撮れるので、後で思い起こすことができ、うれしい。
加賀縫は金糸、銀糸を多用 加賀友禅 漆器
加賀象嵌 鉄や銅合金などの地金の表面を彫り、色彩の異なる金や銀、四分一(銀と銅の合金)などを埋め込んでいくもの。加賀象嵌の特徴は埋め込んだ金属が抜け落ちないように表面より奥が台形型に広くなっている「平象嵌」という技法にある。
和紙 金沢漆器 金沢箔
現代もの
現代もの
過去の業績も素晴らしいのですが、金沢には高校、大学、研修所においてデザイン、陶芸を学べるところが実に多く、未来の教育、育英にもたいへん力を入れているのがわかります。
階段踊り場上に「兼六園」のロゴを見つけパチリ。
九谷焼の行程。出来上がると、まったく違う色に。独特です。
「九谷五彩」は青(緑)、黄、紺青、紫、赤。
茶室にも九谷が。 七尾和ろうそく 多ル飾り白多ル一対
水引 郷土玩具 能登花火

獅子頭。「八方睨みの眼光が鋭く他産地のものより大きなのが特徴で、原木には白山麓の桐が使われている。かつては、町の守護として各町内に1基、それぞれに名工の手による作品が所蔵されていた。」

↓加賀提灯

pageup
せっかくなので兼六園へ。伝統工芸館から直接入れます。もちろん入園料は支払って。
前回入った茶屋は定休日。 前回ここの楓は緑色でした。 時雨亭営業中。
そうだ、県立美術館へ行こう。そこでお茶しよう。前回、中村美術館から謎の階段をあがると県立美術館の敷地でした。兼六園そばですが、クルマで移動。でないと、場所がわからない。兼六園横の坂を下るとつきあたり。こちらも無料の駐車場に駐車。現在、黄金展をやっているという。どこの?どうもブルガリアらしい。1,000円?常設展だけ見ます。そしてアフタは「ル・ミュゼ・ド・アッシュH」辻口博啓プロデュース。
広い窓。窓側の席を所望したが、「4人席のため3人さんのお客が入ってきた時のため取っておく。」と断られました。結局、その後1組入ったが2テーブルはずっと空のまま。公共の建物でそういった店の方針を通用させていいものなのか(怒)。
イチゴの入っていないミルフィーユ(480円)とミルクティ(650円)。チョコレートのマカロンはサービス。「すずの塩を使っています。」「金属の錫ですかぁ?」能登半島の先の珠洲とのこと。ケーキはもちろんおいしい。
まっすぐ行けば香林坊。詳しくなってきました。左折します。 曹洞宗東香山 大乘寺です。徹通義介禅師が開きました。 誰もいない・・・。
ホテルの部屋には「金澤」、「GAKUTO」という雑誌が置いてあり、「GAKUTO」にこの寺が紹介されていました。金沢は学都であるけれど、また仏都でもあるとのこと。日曜座禅で有名のようです。広いお寺の中で唯一ひとり僧の方を見ましたが、とても落ち着いておられました。上の版画は徹通義介禅師開山700回忌を記念し手摺りで100枚作り、1枚10万円で頒布すると書かれていました。毎日見ていると心が穏やかでいられるのに違いありません。
pageup

ホテルに戻り8階の浅田屋へ。宿泊のホテルに浅田屋があったというのに行かないのは後悔しそう。華ご膳2800円です。12種のごちそう。金沢風?京風?えびしんじょう入りミニ春巻き、うどの金平、お造り、天ぷら、きのこグラタン、ふろふき大根、里芋饅頭など。

ランチにしたとたん、吹きつける雪!建物の中で助かりました。のどぐろ1200円の写真。
最後にホテルの写真。

これからは小松空港に近づきつつ移動です。ドライブしているとよく白山が見えます。山が見えるとほっとします。片山津温泉方向、柴山潟です。浮御堂うきうき弁天。駐車場もなく、隣のホテル横に停め、急ぎ訪ねます。寒いし、誰もいない。台風や嵐の時、相当に耐え抜いているのに違いない。お顔の部分、下とは別のガラスなのか、反射しています。

橋立マルヤ水産前。海が荒れちょる。ずわいカニ、香箱ガニ、一両日中に食べなければならないというし、持ち帰りを考えると発泡の箱?購入やめ。これから海がしけ高くなるとのこと。ついでに香箱ガニの食べ方も教わる。2階は食事処だが、もう閉店しているし私も食べられない。

ひたすら空港へ。途中、安宅(あたか)の関に寄ります。弁慶。道路わきの駐車場に停め、上がっていきます。ズンズン、ズンズン。あまりにさびしすぎて怖い・・・。関所跡まで上ります。
日本海に面した松林の中に立つ関所跡。(下左写真。)逃亡途中の源義経と弁慶が、この関を越えようと関守富樫泰家の前で演じた必死の大芝居は、歌舞伎十八番「勧進帳」の名場面になっている、弁慶の忠義心が生んだ物語。そこから下っていくと3人の像「勇仁智」があり、海岸線が広がります。

↑今回最後に見た日本海。
ガソリンを入れ、車を返却。ホテルでガソリン5リッターの券をもらっていたのでそれを利用。2日間で230キロ走行。ガソリン代は差し引き1400円程度。無事、小松空港へ。
ひとり反省会?ビールホタルイカ沖漬けセット980円、天ぷらうどん720円。無事帰宅。それにしてもよく食べました。

pageup