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みまきは近くの地名。御牧。

4月後半です。関東、北関東の桜はもう終わりました。長野の佐久・小諸へ。長野に行くことを決めると、桜ならここへ、食事はここへ、パワースポット、とアイデアが浮かんできました。

初日、朝9時出発。最初に向かったのは、佐久市春日の「職人館」という蕎麦屋さん。約270キロ、関越自動車道、上信越自動車道を走り、碓井軽井沢IC次の佐久ICで降ります。佐久平PAあたりに、盆地のようなところに町ができています。田んぼ、畑の広がる平地を走り続け、職人館に到着。車を降り、店に向かうと、おっちゃんらしき人に会う。「こんにちは〜。」お店の人かな?

お品書きを見、どれにしようか、あれこれ悩む。何しろ蕎麦屋らしからぬメニューの数々。セットものも多い。大豆茹でたもの、固めのみまき豆腐。お品書きを見ながら、店の人に相談。「奥に行って訊いてきます。」と言う。奥に誰がいるのでしょう?さっきのおっちゃんか?

そばの実と放し飼鶏卵のリゾット 本日の創作そばは冷製パスタ。オリーブオイルで絡め、3年熟成のパルメザンチーズを振りかけている。 十割そば。そばが光る!最初、塩で、それからだしで、いただく。

お品書き!

地元の醤油、みそ ご主人が探した新潟の銀葉藻入りの塩とフィリピンの粗めの塩

本が並んでいる。店主は取材されているのだ。向笠千恵子さんの「一食一会」を購入。

木の株に松ぼっくりやほおずきが

飾られている。

「看板の、信州の手仕事は何ですか?」と訊ねると「2階に飾ってるよ。」との答え。見せてもらうんだった。

料理も味わい深く大満足のランチ!おっちゃんは店主でした。近くのレストラン「ル・サンザ・ぷりゅ」に行きたい話をすると、そこは職人館で働いた後、店主が場所を提供して開店した所とのことで、ぱぱっと、予約の電話を入れてくださる。田んぼをはさんで向こう側。

山里もちづきボローヤ(ぼろ家)の会のチラシには職人館の店主のことばが載っていました。くすっ。↓

"日本の都市がバブル経済でうきたっていた頃、信濃の山里のおんぼろ民家で農家レストランのはしりを始めたよ。そば粉・料理の食材は山野が恵む地場産で…そしたら、こんなへんぴな山ン中へ誰が来るもんか。3ヶ月でつぶれると、みんなにバカにされたぜ。…あれから約20年か、よく続いてきたもんだよ。これもみな訪ねてきてくれる人々とのご縁だよ。ありがてえなぁ!イタリアのボローニャの都市再生とはほど遠いが、ボローヤ(ぼろ家)と地元食材を再活用する技はいくらか上手くなったよ!


茶房読書の森のチラシにも店主のことばあり。↓

"信濃の山ン中で20年料理人やってきて、オレ還暦すぎちまっただよ。暮らしの一部としてめぐり来る季の中で、山菜や野生のきのこのお恵みもらいに山野に入っているとさ。本や書は読めなくなったけど、野っ原を目ン玉こらして読みこむだよ。

野の動物といっしょの視線になると、何の価値もないと思っていた足元の一木一草が宝物に見えてくるだなあ。どの植物のどの部分、根・葉・くき・花・実…をいつ頃どんな風に喰い元気で生きていられる食の世界があることを、野の動物の喰い方から教わるだよ。いろんな食材・器具・時間…を使って料理することの意義を考えちゃうよ。

野の料理人がすでにまったき滋味に料理して恵んでくれているものに、よけいな手を加えて、まずくして、不健康な食をつくってるんじゃねえか?なんて、技も金も…何もねぇ山猿料理人のぼやき話だよ。

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闘伽流山に向かう。途中、山肌に張り付くように建つ神社を見つけ、寄ってみます。

鼻顔稲荷神社で、はなづらと読みます。立派な舞殿あり。

ゆるやかな女坂 水の通るトンネル 縁結相生の樹 異なる樹がからまる
奥に進みます。 まだまだ… 行き止まりです。

←横から身を乗り出して、建物を撮影するとこんな感じ。ひと部屋分が山の岸壁に張り付いています。

→裏には小さなお稲荷さん。

戻りは男坂。案内図のように鳥居が並んでおり、朽ちてペンキ塗装中でした。その他に人おらず。

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案内図 闘伽流山、ふもとの明泉寺 石段をのぼり、
風格があります。 枝垂桜、蕾です。 中を覗く
黄金の仏像、木像 さらに車で山道を登る。限界で下車。切り返し、落ち葉でタイヤが滑る恐怖を味わう。 五丁目、六丁目、…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

徐々に荒々しい岸壁が姿を現す。何丁目まであるのかな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

信心深い人々が石像を置いていくのでしょうか。やっと頂上?建物が見える。鐘を納めている二階建ての建物。

鐘楼の下の石。石碑には歌が彫り込まれている。

←鐘を突いてみる。いい音。裏には石像が見えます。

岩には上から水が流れてきている。

→かわいい表情の石像ありました。(クリック拡大)

無事に下山できますように。

観音堂。この奥から仙人岳へ登る岩道があります。登山靴おろか運動靴でもない、時間も十分ないので登山を断念。反対側下の方向には芭蕉碑の標識。 岸壁。よく目を凝らすと 怒ってる?
眼下に佐久平の町 向こうの山の岩肌 ここから車乗り入れ不可のバー
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本日宿泊の小諸、中棚荘 食事は大正館 島崎藤村ゆかりの宿
食前酒はにごり酒 鯛の釜めしを炊きます お造りは鯛松皮造りと鮪、桜大根、縒り胡瓜、大葉、山葵

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

地ビールは千曲川。ホッピーのような味わい。利き酒の焼酎がきれい。麦、米、芋、蕎麦の焼酎を味わう。先付け、イカとアスパラ、酢味噌掛け、干し柿

焼き物は鰆新緑焼き、

うすい豆味噌、棒茗荷酢取り

温物小鍋にて 信州牛わらび鍋、

筍、茗荷、青ネギ、柚子胡椒

蓋物、手打ち蕎麦、温玉、

うなぎ、笹ネギ

揚げ物、穴子と玉子の東寺揚げ、

こごみ、レモン、ゆかり塩

釜炊きご飯 赤味噌の味噌汁、香の物二種

季節のデザート。

 

 

 

 

 

 

 

大正館の玄関。実際の出入りは奥の戸から。廊下には藤村のポスターが貼られています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

桜、ソメイヨシノ、八重桜が咲いていました。

コイノボリ。

こちらの宿では、10月から4月まで、浴槽にりんごを浮かべています。名づけて、初恋ぶろ。藤村の作品から。殺人事件の舞台の題材にも登場しているとのことです。(フロントにその推理小説本が売られていました。ドラマ化されていない。)

脱衣場と風呂場の間には壁がないのが新鮮です。台湾の北投温泉のよう。

 

 

 

 

 

 

 

また、こちらの宿では、ヤギ、鴨、鶏など飼っています。1ヶ月ほど前に生まれたコヤギがかわいい。おてんばなのはメス。はりこし亭名物のお煮かけうどんの残り物を食べていました。

湯尊碑、フロント横のラウンジには藤村の初版本や直筆の原稿が多数あります。

藤村坐像は次男島崎鶏二筆(1935年)藤村ゆかりの中棚荘新築にあたり富岡正樹君(中棚荘五代目)の請により馬籠藤村記念館理事長島崎緑二氏に会し撮影について快諾を得て複製したもの、と証されている。

朝食は麦とろを中心に。 駐車場まで、花木が咲いている。

古い建物。まだ誰か

住んでいるのだろうか。

移築して8年のはりこし亭を

見学させていただく。

現在は郷土料理店として活躍。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

58.5畳の大広間に30cm角の大黒柱、高さ8mの吹き抜け、欄間彫刻。蕎麦打ち体験可能。ウェディングも。

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小諸城址、懐古園。駐車場にはこんな看板。日本ロマンチック街道?上田、小諸、軽井沢、草津、伊香保、沼田、日光、宇都宮を結ぶ街道らしい。

SLが飾られています。

かなり広い?
石垣が続く 幼稚園生。みんな気持ちよく「こんにちは〜」と顔を見て挨拶してくる。 二の丸跡
二の丸跡 弓練場

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

懐古園を一周しています。お堀の跡らしきものがそこかしこにあります。樹齢推定500年の欅。幹周り6.5m。園内、提灯があるってことは夜、ライトアップありということですか?

千曲川旅情の歌

 

 

小諸なる古城のほとり
雲白く遊子(ゆうし)悲しむ
緑なすはこべは萌えず
若草も藉くによしなし
しろがねの衾(ふすま)の岡邊
日に溶けて淡雪流る

あたゝかき光はあれど
野に滿つる香(かをり)も知らず
淺くのみ春は霞みて
麥の色わづかに青し
旅人の群はいくつか
畠中の道を急ぎぬ

暮れ行けば淺間も見えず
歌哀し佐久の草笛
千曲川いざよふ波の
岸近き宿にのぼりつ
濁り酒濁れる飮みて
草枕しばし慰む


 

 

 


昨日またかくてありけり
今日もまたかくてありなむ
この命なにを齷齪(あくせく)
明日をのみ思ひわづらふ

いくたびか榮枯の夢の
消え殘る谷に下りて
河波のいざよふ見れば
砂まじり水卷き歸る

嗚呼古城なにをか語り
岸の波なにをか答ふ
過(いに)し世を靜かに思へ
百年(もゝとせ)もきのふのごとし

千曲川柳霞みて
春淺く水流れたり
たゞひとり岩をめぐりて
この岸に愁(うれひ)を繋(つな)ぐ

園内に市立藤村記念館。懐古園入園券とセットで入館。藤村の遺墨、遺品、関係資料を保管。昭和33年4月開館。写真撮影不可。

明治32年、木村熊二の経営する小諸義塾に国語と英語の教師として赴任。明治38年上京するまで、7年間にわたり小諸で生活する。詩から散文への移行の時期を過ごす。

懐古園桜散策は続く。

藁葺きの東屋で尺八を演奏する人 「千曲川旅情のうた」藤村直筆

中棚荘から見えた景色と

同じ風景が広がる。

  遠足でお弁当を食べる小学生 山本勘助築城
向こうは動物園 懐古神社 横に旅館
天守台にのぼり、桜を見下ろすと、違う花見を味わえる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

小諸八重紅枝垂、あと10日くらいでしょうか。動物園の桜も立派。さらに横には遊園地もあります。子ども天国です。

芝桜 ヤクシカ ライオン!
熟睡の月のワグマ ライオンと桜 ペンギン
フラミンゴ 古い遊具 県下最古大正15年創立

懐古園入り口に戻ります。今度は誰もいない枝垂桜を撮影するけれど、枝振りがヘン?苔むした石垣横で中国人モデルがウェディング撮影中。寒いかも。

「懐古園」大額アップ

懐古園入り口の木村熊二のレリーフ。長野県の人らしき老女が、長野県ではまずこれを見てもらわなきゃならんと熱弁をふるっていました。

三の門。この門の「懐古園」大額は

徳川家達公の筆による。

 

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布引観音です。懐古園から車で10分ほどですが、訪れる人もまばら。お天気が崩れてきたので、ささっと見てきます。が、なんと山道を20分も登らないとたどりつけないところでした。
岩肌が荒々しいが、ほっとする景色。小雨が降り、マイナスイオン。
牛岩   善光寺まで続いているといわれる
善光寺穴
  本堂が見えた! 釈尊寺前の桜が満開。寺の裏には車が停まっている?
もう少し 伝説の牛  

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

本堂まで回りこみます。

到着! 観音堂 釈尊時を見る
覗くと、 観音様 さっきはきれいな景色をありがとう

名勝 布引観世音

信心うすい老婆が住んでおり、この老婆が千曲川で布を晒していると、どこからともなく1頭の牛が現れ、その布を角にかけて走り出した。老婆は、野を越え、山越え、牛の後を追いかけるが、気がつくと、善光寺の境内まで来ていた。やっと牛に追いついたと思ったのもつかの間、牛は金堂のあたりで、突然姿をけしてしまう。驚きと悲しみに疲れ果てた老婆は、あっけにとられその場にたたずんでしまう。

日も暮れる頃、一条の光明がさし、その霊光の尊さに思わずひざまずいて、菩提心を起こし一夜を金堂にこもって罪悪を詫び、家に帰った。

ある日、布引山を仰ぎ見ると、岩角にあの布が吹き付けられている。

老婆は何とかして取り戻したいと思うが、断崖絶壁のことで取るすべもない。一心不乱に念じているうち、布と共に石と化してしまったということ。この布引山の断崖には今も白く布の形をした岩肌が眺められる。


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本日のランチは、昨日の職人館のそば、ル・サンザ・ぷりゅ。Le Sans a plus、「何もないところから無限大のものを」というような造語らしい。 看板はこれだけなので、道路、通り過ぎないと見つからない。

ランチセットを頼みます。

野沢菜のスープ。スプーンの菜の花は食べられます。

地粉パンと菜種油。職人館と同じ塩。

豆のテリーヌきれい。

下の緑はナズナ。付け合せ、つくし、ヤーコン、木クラゲ、蓮根など。

蕗の薹のパンケーキ。

ふわっふわっ。小さな、野菜、野草が楽しい。

鰆、信州サーモン、ワカサギのクレープ包み。ソースはいわきの海草から作ったもの。

いちご、カエデのシロップ、

プリン。

デザート2皿はめちゃうれしい。

特別なコーヒー

(忘れてしまったが)

テーブル3つだけなのに、本や料理器具が飾られている。

せともののクグロフ型がすてき。

道に迷い、偶然、立派な桜の樹を発見。目的地の大澤酒造へ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

古い造り酒屋。中の庭も立派。売り場には、歴代の総理、森、福田康夫、安倍晋三、小泉純一郎の「國酒」の額縁が飾られている。達筆は?

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前回も訪ねた海野宿へ4時に到着 こちらの骨董品やさん再訪… もう閉まってます。開かない。
白鳥神社 川沿いの桜並木  

駐車場には鯉のぼり。平日、それもお天気が悪いとお店を早めに閉めてしまうようです…。わざわざ来ていたらショック。今回は近くまで来たので寄ってはみたものの。

新しくできたお店も何軒かありました。古くからあるお店はそれほ元手もかかっておらず気負いもないけれど、そうでないお店は現実に引き戻されるような…。怖い顔した店員さんのところでぐっと疲れました。

終わりよければ、というけれど。これで、帰宅です。

4時半東部湯の丸ICに乗り、ノンストップ、横浜へ。夜8時着。もりだくさん旅でした。

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